乙嫁語り 感想 : 心を奪われる描写が素敵
「乙嫁語り」評判良かったので読みました。現在3巻まで出ています。
作者の森薫氏は中東や中央アジアの文化にハマっているらしく、元々「乙嫁語り」も趣味が高じて描き始めたらしいです。ペルシャ絨毯のような豪華で繊細な裁縫(さいほう)を施した刺繍(ししゅう)があちらこちらで使われていて、観ていて綺麗で時にハッと心を奪われる描写が素敵。
時代設定がいまいちはっきりしてないんですが、中央アジア一帯の遊牧民族の生活を事細かく描写していて大きな事件も今の所なく、大家族の中で生活している12歳カルルクと別の移牧民から嫁いできた20歳アミルのハートフルストーリーといった感じ。
ヒロインのアミルは「明朗活発」「運動能力高い」「生活力に優れる」「乙女で純真」「ちょっと天然」といった絵に書いたような完璧な女性って感じなんだけど、この時代だともう「嫁ぎ遅れ」のようで、実家や嫁ぎ先の遠縁にはあまり良い顔はされていない。でも嫁ぎ先や夫カルルクとの関係は良好。
一方その夫カルルクは思慮深くて思いやりがあるものの身長が低く、最初の頃は姉弟のような関係にもみえるのだけど、話が進むに連れてだんだん男らしい一面がみえて来てアミルも本当の意味で惹かれ出す過程が読んでいてぽかぽかして来るw
中央アジアあたりの文化や風習が日本ではあまり伝わってこないので、読んでいてとても新鮮です。ファンタジー世界のようにも思えます。
今後の展開だと南下してくるロシアとの戦いに巻き込まれる可能性大ですが、このままほっこりした生活を描いていって欲しいなあ。
- 作者: 森薫
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: コミック
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