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日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか 感想 : 日本人で良かった、で終わらない為に

天皇の存在は「統治する存在」では無く「祈る存在」であり、国民一人一人の幸せを祈る存在として、人間界と自然界の接点にいらっしゃった、というくだりが一番印象に残った。そんな日本人として基本的なことですら学校で教えて居ない現在の教育に愕然となった。「日本人には日本が足りない」というのは、こういうことなんだな。

 タイトルからして、よくある日本礼賛本なのかな、と思って借りたんですが、意外とコレが深くて「そもそも何故日本人はこのような世界で好かれる、尊敬される国民性になったのか?」を、農耕時代からの考証を経て、天皇の存在が日本国のありようを形作った、という話に結論付けていました。
 こう書くと、SAPIO読者乙!、とか言われそうですが、読んでいて説得力を感じました。

 自分達が学校の社会科で習った日本史は、石器時代からいきなり縄文時代に飛んでいて、その間の事を殆ど習ってないことを本で指摘され、軽くショックを受けました。
 確かに大昔の事なので、時代考証があやふやなのは解るけど、「古事記」の中の神話の話はきちんと学校で習うべきなのではと思いました。
歴史学者のトインビーが「神話を教えない民族は100年以内に滅びる」と言ったらしいですが、今の日本を見ていると、遠からずそうなってもおかしく無いのでは。


 後、自分が知らなかったので情報をシェアしたいことに、「いただきます」と「ごちそうさまでした」の意味があります。
「いただきます」とは「あなたの命を頂きます」という意味であり、食材そのものに対する感謝の気持ちを表す言葉
「ごちそうさま」とは食事を作ってくれた人と食材を生産した人に対する感謝の言葉
なのだそうです。

 単純にご飯を食べる時の作法の一つだと思っていたので、1人で食べる時は両方共言わなかったり、そうで無くても言ったり言わなかったりするので、これからは毎回意識して言おうと思いました。


 海外からみた日本の好感度の高さを知って、自分が日本人で良かった、で終わらない為にも、もっと日本の事を知りたいと思いました。
 そしてそう思っている人が手にするのに最適な本です。

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)

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